STATUS QUO

リック・パーフィット&フランシス・ロッシ
Rick Parfitt & Francis Rossi

さてさて、今回は英国の国民的人気バンド、ステイタス・クォーの傑作アルバム「ドント・ストップ」をご紹介します。

クォーは来年で結成40周年を迎えますが、御大フランシス・ロッシと長年のパートナーであるリック・パーフィットを中心に、いまだバリバリの現役バンドとして活躍中!英国の国民的人気バンドなんていうのは日本にいては全くピンときませんが、ロンドンのロック博物館(閉館してしまったそうですが)では、ストーンズよりもはるかに目立つ場所に、ロッシの蝋人形が置いてあったそうですよ〜。(ストーンズ嫌いの管理人としては拍手喝采ですね!)

「ドント・ストップ」は結成30周年を記念して企画されたカバー・アルバム。収録された15曲(日本盤は(16)〜(19)がボーナス・トラックとして追加収録)は5人のメンバーが持ち寄ったフェイバリット曲約200曲の中から厳選に厳選を重ねて選ばれたそうです。絶対お薦めのアルバムですよっ!

第3号 2005.1.15




STATUS QUO/DON’T STOP
ステイタス・クォー
TDK TDCN-5597 1996年

現在日本盤は入手困難なようです。
輸入盤は入手可。

Don't Stop: 30th Anniversary Album
1.ファン,ファン,ファン
2.ホェン・ユー・ウォーク・イン・ザ・ルーム
3.アイ・キャン・ヒア・ザ・グラス・グロウ
4.ユー・ネヴァー・キャン・テル
5.ゲット・バック
6.セイフティ・ダンス
7.レイニング・イン・マイ・ハート
8.ドント・ストップ
9.ソロウ
10.プラウド・メアリー
11.ルシール
12.ジョニー・アンド・メアリー
13.ゲット・アウト・オブ・デンヴァー
14.ザ・フューチャーズ・ソー・ブライト
15.オール・アラウンド・マイ・ハット
16.モルティフィッド
17.テンポラリー・フレンド
18.ティルティング・アット・ザ・ミル
19.ファン,ファン,ファン
1.ファン,ファン,ファン
ビーチ・ボーイズ
BEACH BOYS
終わりなき夏
1曲目はおなじみのビーチ・ボーイズ・ナンバー。
ビーチ・ボーイズとは92年のドイツ・ツアー以来親交があるそうで、バック・コーラスで本物のビーチ・ボーイズのハーモニーを聴くことができます。アルバムの完成記念コンサートにもブライアンを始めメンバーが駆けつけてくれたそうです。

オリジナル曲はアルバム「Shut Down Volume2」に収録されていますが、管理人のお薦めは74年のこの傑作ベスト・アルバム。発売当初、選曲の素晴らしさにブライアン本人が選曲したのではないかとの噂が立ったほどの名盤です。オリジナル・アルバムはほとんど持っている管理人でも、気楽に聴きたいときはよくかけるアルバムですね。


2.ホェン・ユー・ウォーク・イン・ザ・ルーム
ジャッキー・デ・シャノン
JACKIE DE SHANNON
COME AND GET ME
日本盤のライナーでは街角男(苦笑)デル・シャノンの作品とされていますが、もちろん間違いで、サーチャーズの「ピンと釘」やキム・カーンズの「ベティ・デイヴィスの瞳」などの大ヒット曲のライターとして知られる、ジャッキー・デシャノンの作品です。この曲は再びサーチャーズが6枚目のシングル曲としてカバーしており、全英3位の大ヒットとなっています。
ジャッキー自身のヴァージョンを聴くにはこのベスト盤がお薦め。彼女独特のハスキー・ヴォイスで歌われる名曲をたっぷり楽しめる好盤ですが、この購買意欲をそぐ貧相なジャケットはなんとかならないもんだったんでしょうか。
もちろん「ピンと釘」「ベティ・デイヴィスの瞳」も収録されてますよ〜。


3.アイ・キャン・ヒア・ザ・グラス・グロウ
ロイ・ウッド
ROY WOOD
シングルズ
60年代後半から70年代始めにかけてイギリスのチャートでヒット曲を連発した名バンド、ムーヴ(あのELOのジェフ・リンも参加)が67年に放ったベスト5ヒット。
オリジナル曲に比べ、さほど目立ったアレンジはほどこされていませんが、スピード感は圧倒的にクォーのヴァージョンの方が上ですね〜。(単にテンポ・アップしているんじゃなくてね。)素晴らしい出来です。
オリジナル曲を聴きたい人には、ロイ・ウッドのかかわったシングル曲を集めたこの編集盤がお薦めですね。ムーヴ、ウィザード時代やソロ活動での代表曲がたっぷり詰め込まれた好盤です。


4.ユー・ネヴァー・キャン・テル
チャック・ベリー
CHUCK BERRY
Rock 'n' Roll Rarities
出ました!キング・オブ・ロックン・ロール、チャック・ベリーの必殺曲のゴキゲンなカバー。アコーディオンの響きがいいですねぇ。最高ですっ!
フランシスとリックもこの曲には是非チャックに参加してほしくて連絡を取ったところ、ビーチ・ボーイズとは反対にいきなりギャラの話を持ち出されてあきらめざる得ない状況だったようです。(ガメツイぞっ!チャック!とは言うものの、チャックにも白人のロッカーたちには搾取され続けて来たんだって言う被害者意識がきっとあるんだろうけどね。)
比較的地味な曲のため、数多いチャックのベスト盤にもあまり収録されていませんが、この盤ならばっちりですよ。


5.ゲット・バック
ビートルズ
THE BEATLES
レット・イット・ビー
言わずと知れたビートルズ・ナンバー。比較的ストレートなカバーですが、ライナーにもあるとおりホーンが加わっているのがミソでしょうか。
オリジナル・ヴァージョンは誰でも知ってる「LET IT BE」に収録。作品の出来云々は別として、リアル・タイムに親しんだヒット曲「レット・イット・ビー」や「ザ・ロング・アンド・ワインディングロード」を収録したアルバムなんで、結構愛着があるんですよね。


6.セイフティ・ダンス
 トラディショナルなメロディが印象的な好ナンバー。オリジナルはカナダのバンド、メン・
 ウィズアウト・ハットの曲だそうですが、残念ながら管理人は未聴です。カナダにはラ
 ンキンズみたいなトラッド曲をやるバンドが多いのでこういったいい曲も出てくるんでし
 ょうね。


7.レイニング・イン・マイ・ハート
 特に英国ではエヴァリーズと並んで人気の高い不運のロックン・ローラーバディ・ホ
 リーのセンチメンタルなスロー・ナンバー。ギターはブライアン・メイ。バディ・ホリーが
 苦手な管理人には、ちとキツイ。


8.ドント・ストップ
フリートウッド・マック
FLEETWOOD MAC

フリートウッド・マックのメガ・ヒット・アルバム「噂(RUMOURS)」からシングル・カットされ大ヒット(全米第3位)したクリスティン・マクヴィーの名曲。
このクォー・ヴァージョンも素晴らしい出来ですね。
まぁ、よく聴くとアレンジをほとんどほどこさないストレートなカバーですが、心なしかクォー・ヴァージョンの方が少しキレがあるような気がします。ブギ一筋(っていうと嫌がるらしいですが。)の彼らの面目躍如といったところでしょう。



9.ソロウ
 これはいい曲ですね〜。オリジナルはマージーズのヒット曲(全英4位)だそうです
 が、管理人は未聴です。ライナーではラバー・ソウルの頃のビートルズのメロディ
 に似ているとしていますが、そうかなぁ?


10.プラウド・メアリー
CCR
CCR
ザ・コンサート
もはやロックのスタンダードとなったCCRの名曲中の名曲です。多くのアーティストがカバーしていますが、個人的にはティナ・ターナーのステージが耳に、いや目に焼きついてますねぇ。(ティナとアイケッツのダンスはマジ強烈だったもんなあ。)
ブギまっしぐらのクォーのこのヴァージョンも最高!ハッスル!ハッスル!って感じですね。
オリジナルはCCRのセカンド・アルバム「バイヨー・カントリー」に収録されていますが、今回はこのライヴ・アルバムを選んでみました。発売当初はロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでの録音とされていましたが、実際はカリフォルニア・オークランドでの公演と分かりタイトルが変更となったいわくつきのアルバムです。


11.ルシール
  これまた、言わずと知れたリトル・リチャードの名曲のカバー。原曲のヴォーカルのト
  ゥー・マッチな感じが苦手な管理人としては期待薄でしたが、あっさり風味に仕上げ
  たこのカバーはグッド!さすがはクォー心得ていますね。


12.ジョニー・アンド・メアリー
ロバート・パーマー
ROBERT PALMER
Addictions, Vol. 1
2003年に惜しくも急逝したロバート・パーマーのヒット曲です。
パーマーと言えば「Bad Case of Loving You (Doctor, Doctor)」などのハードな曲を選曲すると思いきや、クォーは意外にも軽快なテクノ風サウンドのこの曲を選んでいますが、原曲のクールな雰囲気をそのまま引き継いでカバーしており、中々いい出来です。

オリジナルはパーマーの6枚目のソロ・アルバム「クルーズ」に収められていますが、ヒット曲満載のこのベスト・アルバムがお薦めです。


13.ゲット・アウト・オブ・デンヴァー
  デイヴ・エドモンズがカバーしたことでも知られるデトロイトの苦労人ロッカー、ボブ・
  シーガーのナンバーです。クォーもノリノリでカバー。ブギーの王者の本領発揮と言
  ったところでしょう。
  ライナーにあるとおりボブ・シーガーの日本での認知度は低く、管理人も彼のアルバ
  ムで持ってるのは大ヒットした「Against The Wind」1枚だけですもんね。よって原曲
  も未聴。ゴメン!


14.ザ・フューチャーズ・ソー・ブライト
ティムバック3
TIMBUK3
GREETINGS FROM
米カレッジ・チャートの首位を奪取した、ティムバック3のブギー・ナンバーですが、あくまでもチープで軽いノリがミソ。
クォー・ヴァージョンでは重厚なブギー・ナンバーに生まれ変わっていますが、う〜ん、どうなんだろう。出来は悪くはないと思うけど、管理人的にはティムバック3のオリジナル・ヴァージョンの方が好きですね。残念!
ジャケ写はこの曲を含むTIMBUCK3のデビュー・アルバム。
最初は手作りのリズム・カラオケをバックにパフォーマンスしていたというだけあって、あくまでシンプルなサウンドが不思議な魅力をかもし出しています。管理人の10数年来の愛聴盤。
現在入手が困難なのが残念ですね。


15.オール・アラウンド・マイ・ハット
スティーライ・スパン
STEELEYE SPAN
All Around My Hat
全英5位を記録したスティーライ・スパンの大ヒット曲であり代表曲。
フランシスが最初にこの曲を聴いて感動のあまり、お礼の電報をスティーライ・スパンに送ったというエピソードが微笑ましいですね。
マディ・プライア女史も友情参加し、出来の悪かろうはずがありません。
この訳の分からないジャケットは「オール・アラウンド・マイ・ハット」をタイトルにした75年発表の傑作アルバム。トラッド色もさほど濃くなく、スティーライの入門編としては最適でしょう。

しっかし、このジャケットは本当にいただけませんね。(笑)


以下は日本盤のみのBONUS TRACK
16.モルティフィッド
17.テンポラリー・フレンド
18.ティルティング・アット・ザ・ミル

19.ファン,ファン,ファン(Extended fade version)
16〜18はシングル・カットされた1,8,2のボーナス曲です。特に18はリラックスした雰囲気のブギー・ナンバーで大人のロックといった感じですね。
19はもちろん1の別ヴァージョン。やっぱり最高ですよね!


〜おまけ〜
無敵の快進撃を続けていた若き日のクォーの演奏を楽しみたければこのアルバムがお薦め。ヒット曲を連発していたヴァーティゴ時代のベスト盤ですっ!ただし現在入手困難のようです。オークションとかで探してみてね。
ステイタス・クォー
ROLL OVER LAY DOWN
-BEST OF STATUS QUO

1.ロール・オーヴァー・レイ・ダウン
2.ロッキン・オール・オーヴァー・ザ・ワールド
3.ペーパー・プレイン
4.キャロライン
5.ドント・ウェイスト・マイ・タイム
6.バック・ウォーター
7.ジャスト・テイク・ミー
8.リトル・レディ(ライヴ)
9.モスト・オブ・ザ・タイム(同)
10.レイン
11.ホワットエヴァー・ユー・ウォント
12.サムシング・アバウト・ユー・ベイビー・アイ・ライク
13.メス・オブ・ブルース
14.黄金のマルガリータ
15.ザ・ワンダラー
16.ローリング・ホーム
17.エイント・コンプレイニング
18.バーニング・ブリッジ


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